見ごろの植物を更新しました
本館ウッドデッキではチャボツメレンゲの鉢植えを展示しています。国内では紀伊半島・四国・九州の山地に分布し、岩上のわずかな土壌に根を下ろして育ちます。牧野博士は1891年に『日本植物志図篇』第1巻第8集において、学名をつけ、詳細な図と記載文を沿えて、新種として発表しました。園芸目的の盗掘や自生環境の悪化などで全国的に絶滅が危惧されており、環境省レッドリスト(2020)、高知県レッドデータブック (2022)ともに絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
温室や展示館ではムジナモを展示しています。本種は日本(本州)、ユーラシア、アフリカ、オーストラリアに分布し、湖沼などの水中に浮遊する食虫植物で、牧野博士が国内で初めて、1890年に江戸川河川敷(現在の東京都江戸川区北小岩)の用水路で発見し和名をつけました。1960年代後半までに知られていた国内のすべての自生地が消失し、埼玉県羽生市を含む2系統が人為的に栽培・保全されていましたが、2022年10月に水生昆虫の研究者で内科医でもある西原昇吾氏がゲンゴロウ類などの調査の過程で石川県の農業用ため池にて本種の新たな自生の個体群を発見しました。
温室では明日7/20(土)から9/1(日)まで食虫植物展を開催しており、展示の目玉はムジナモの”赤ちゃん”(実生苗:みしょうなえ)の展示です。昨年の開花ラッシュから採れた種子を温室スタッフが愛情込めて育てたもので、実生苗の展示は国内の植物園で初めて(当園調べ)です。貴重なこの機会にぜひご来園・お楽しみください。
見ごろの植物
「園内では〇月ごろ、どんな花が見られるの?」
過去の「見ごろの植物」を1年分アップしました。ご来園の参考に、ぜひご活用ください。
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見ごろのカレンダー