【研究情報】新種キリシマイバラと新亜種シコクイバラを共著で発表しました
バラ科バラ属(Rosa)の新種キリシマイバラと新亜種シコクイバラを記載した論文を、当園の藤井聖子(植物研究課・植物調査班長)が共著者の1人として発表しました。
バラ属の植物は多くの園芸品種が作出されており、野生種の分布は古くから関心がもたれていました。
バラ属は調べ尽くされていると思われた日本で、新種・新亜種が発見されたことは驚きです。
掲載誌:Journal of Japanese Botany 100(5): 398–415 (2025).
論文タイトル:日本産バラ属の2新分類群ーキリシマイバラ(新種)とシコクイバラ(新亜種)
著者:矢原徹一 1,田金秀一郎 2,廣田峻 3,藤井聖子 4,布施健吾 1,佐藤広行 1,社川武徳 5,陶山佳久 6
(1 九州オープンユニバーシティ,2 鹿児島大学総合研究博物館,3 大阪公立大学附属植物園,4 高知県立牧野植物園,5 九州大学システム生命科学府,6 東北大学農学研究科附属複合生態フィールド教育研究センター)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/100/5/100_ID0326/_article
要旨:
九州と四国においてバラ属の2つの未知分類群を認識。これらの分類学的な実態を明らかにするため、MIG-seq法を用いて系統解析を行いました。
その結果、九州の分類群は、同地域にも分布するヤブイバラ(R. onoei Makino)に近縁であるが形態的に異なることから、この分類群を新種キリシマイバラ(R. kirishimensis Yahara & Tagane)として記載しました。
一方、四国の分類群は、フジイバラ【R. fujisanensis (Makino) Makino subsp. fujisanensis】に類似しているが、形態的・生態的違いを考慮し、フジイバラの亜種シコクイバラ(R. fujisanensis subsp. shikokumontana Yahara & Se.Fujii)として記載しました。
関連:九州オープンユニバーシティHPより「【論文公表】新種キリシマイバラと新亜種シコクイバラを発表しました」
