はじめての牧野植物園
はじめての牧野植物園
牧野植物園は五台山の自然に溶け込むように設計された植物園。修景にもこだわったことで、植物が実際に自然の中で生育しているような環境を再現しています。園内を歩くと山の中さながらのフレッシュな空気を感じられます。このコースでは、初めてご来園される方にも分かりやすく、当園の見どころを満喫していただけるコースをご紹介します。
正門から入園し、中門から退園するコースで、ゆるやかな下り坂となり、比較的歩きやすいルートです。全長約1.5kmで、南園の牧野富太郎像や50周年記念庭園に立ち寄る箇所にゆるやかな階段があります。
※飲み物は、園内5か所にある自動販売機と、2つのショップで購入できます。
※お弁当の持ち込み可能です。マップのおにぎりマークがついた広場やベンチ、東屋で飲食できます。
※入園窓口のそばには、コインロッカーをご用意しています(硬貨は使用後に戻ります)。
機内に持ち込みできるサイズのスーツケースも収納できる大きさです。
1時間半コース
スタート地点:中門
1. 散策の余韻にひたる~レストランやショップ~
植物研究交流センター
2023(令和5)年5月にオープンした植物研究交流センター。3階には、南園や温室を望む眺望抜群のレストランや、牧野博士関連グッズや当園オリジナル商品などをお買い求めいただけるミュージアムショップがあります。
【レストラン「C.L.GARDEN」】
【牧野ミュージアムショップ「サクラ」】
1階にあるキッズラボでは月に数回、土日に、お子さまを対象にした学習プログラムも開催。
顕微鏡を使った観察や専門的な内容を含んだ植物園ならではの体験などが楽しめます(事前予約制)。
【キッズラボ・植物教室について】
3階には中門があり、こちらから入退園できます。
※飲み物の自動販売機は1Fにあります。
2. 熱帯の植物に出会える場所
温室
エントランスは、大木の洞窟をイメージした9mのみどりの塔。シダ類や、絞め殺しの木の異名をもつアコウの気根が塔の内部を覆い、幻想的な空間が広がります。
温室で見られるのは、約1000種類の熱帯植物。乾燥地やジャングル、滝、水辺などさまざまな環境が温室内に再現され、多種多様な植物をご覧いただけます。
なかには、カカオやバニラ、バナナなど、馴染みのある植物も。
これらの熱帯植物がどのように成長し、開花や結実していくのか、知らなかった姿を目にすることができます。
葉の直径が2m以上にもなる水生植物、オオオニバスの葉を裏側から仰ぎ見られるスペースもあるので、ぜひのぞいてみてください。
※温室のそばに、飲み物の自動販売機や休憩スペースがあります。
3. 見どころ多し!南園
南園
連絡道から分岐する谷方向への散策路(ヒトツバタゴをすぎてすぐの石段)を下ると、出会えるのが牧野富太郎像です。手に持っているのは、カラカサタケというキノコ。足元の草と背広を脱いだ姿で、野外の調査に励み、研究室にこもる研究者ではなかったことを表現しています。
牧野博士が生前「植物園を造るなら五台山がええ」と語り、五台山 竹林寺の境内の一部(現在の南園)を譲り受けることで、1958(昭和33)年に開園した牧野植物園。
長い歴史を刻む南園は、石積みやお馬路(参詣道)といったお寺の面影を残しながら、独特の谷地形を最大限に活かし、後方に見える山々を借景として構成されています。
南園の大きな見どころは、2008(平成20)年に完成した50周年記念庭園。池と小川を配した水景庭園で、サクラ類やハナショウブ、ハスの仲間など東洋の園芸植物が四季を彩ります。
50周年記念庭園の池にかかる橋は、おすすめのフォトスポットのひとつ。緑と水に囲まれ、温室をバックにした写真が撮影できます。
※時間がない場合や階段の昇降を避けたい場合、連絡道をそのまま進めば、温室や植物研究交流センター(中門)に最短距離で行くことができます。
4. 北園と南園をつなぐ連絡道
連絡道
展示館などがある北園と、温室や植物研究交流センター(中門)などがある南園をつなぐ335mの連絡道です。道沿いにある展望台からは、晴れた日には前面の丘陵の間から太平洋が望めます。
展望台近くのトビカズラは3月下旬ごろから咲きはじめ、紫色の花が木々にぶら下がって咲き乱れるようすは圧巻。道中にあるバラは、歴史的に重要な役割を果たした品種や、その原種などが植栽され、5~6月には見ごろに。夏には大輪の黄色い花で爽やかに彩るハマボウ、秋にはダルマギクやシオギクなどのキク類が開花します。
歩きながら、ぜひ季節の花にもご注目ください。
5. ちょっとした息抜きに~中庭文庫~
牧野富太郎記念館 展示館
展示館の一角には、植物や牧野博士に関する書籍が並んだ休憩スペース中庭文庫があります。
このスペースでは、飲食も可能です。
(※飲み物の自販機は近くにありますが、食べ物の販売は行っていません)。
散策の合間に、ほっとひと息、本を開いてみませんか?
植物に関する図鑑類や書籍、牧野植物園の情報が掲載されたガイドブックなどを揃えてお待ちしています。
6. 牧野博士の足跡を巡る
牧野富太郎記念館 展示館
回廊の先にある展示館では、94年の生涯を植物分類学の研究に捧げた牧野博士の生涯や、ゆかりの植物をご覧いただくことができます。
常設展示「牧野富太郎の生涯」では、ノートや日記などの遺品類(複製)や植物図などを展示し、少年期、青年期、壮年期、晩年に分けてその生涯を紹介。牧野博士が晩年を過ごした書斎「繇條書屋(ようじょうしょおく:草木が生い茂る書斎)を再現したコーナーもあります。
展示館の中庭には、牧野博士にゆかりのある植物 約250種類が植栽されており、常設展示で紹介されていた植物の実物が、エピソードとともに、お楽しみいただけます。
時間に余裕があれば、高精細な映像で植物の世界を体感できる展示館シアターもおすすめです(1作品:15分程度)。
【展示館シアターについて】
7. 植物を五感で楽しみながら学ぼう!
ふむふむ広場
本館から展示館に向かう回廊の左手に見えるのが、2019(平成31)年春にオープンした体験型エリア ふむふむ広場です。
私たちの生活になじみの深い植物の成長を観察できる「土佐の畑」や、植物に触ったり、ちぎったり、匂いをかいだりして植物に親しむことができる「ふれあいの庭」などがあります。
身近な植物が多く、五感で楽しめるため、とくに子どもたちに人気のエリアです。
8. 五台山の自然と調和する建築美
牧野富太郎記念館 本館
1999(平成11)年に完成した牧野富太郎記念館は「サスティナビリティー(持続性)」という考え方を一つのテーマとして、建築家 内藤廣氏が設計を手掛けました。
森の中にうずもれるような形とすることで環境と同化し、雨水を有効活用できる仕組みを取り入れるなど、自然と共生する建築物として全国的な評価を得ています。
木のぬくもりを感じる「緑の中の空間」をぜひご体感ください。
※ペットボトル入り飲料は、本館にある「ボタニカルショップnonoca」で販売しています。
9. 土佐の自然をまるごと体感
土佐の植物生態園
正門から入ると、まず皆さまをお迎えするのが、土佐の植物生態園。「牧野富太郎博士を育んだ豊かな高知の自然植生を山・川・海に行かずとも見ることができる」というコンセプトのもと造られた当園のエントランスで、標高1,000mを超える山地から、丘陵地、人里、海岸にいたるまで、土佐の植生をゾーンごとに分け、代表的な植物を自然さながらに植栽しています。
このわずか0.3haのエリアで見られるのは、高知に生育する約2,700種類の植物のうち、約4分の1にあたる700種類ほど!!
豊かな高知の植生を、植物一つ一つについた解説ラベルとともに、お楽しみください。